直観力を高める数学脳のつくりかた

 賢い人のやり方をゲットしたい

本当の意味で賢い人というのは、「ひらめく人」だと私は考えています。

だいたいそういう方々は数学得意なイメージがありませんか?

そういうちからをもし高める方法があるなら、ぜひ試してみたい!

そう思って読んでみた”直観力を高める数学脳のつくりかた(バーバラ・オークリー著/沼尻由起子訳/河出文庫)”を紹介したいと思います。


こんな人におすすめ

  • 賢い人の考え方を真似したい方
  • 賢い人のテクニックを知りたい方
  • 賢い人になりたい方


本の概要        

文章の構成

大きく分けて2つのトピックがありました。

「ひらめく人はこうやって考えている」

「上手な勉強の仕方」

これらです。

さまざまな事例、図の解説を取り入れ、わかりやすく説明されています。

実際にその勉強法・考え方を取り入れた方々のお話が頻繁に登場し、理論を補強していきます。


「脳の機能」でわかっていることに基づき、○○すると良い効果が得られた…という流れで説明していくので、科学的根拠をもとに賢くなっていくには?を考えたい人にはおすすめですね。



ひらめく人はこう考えている

では1つ目の「ひらめく人の考え方」です。


  1. 集中モードと拡散モードをうまく切り替えている
  2. 問題が解けたら終わりじゃない
  3. まず難しい問題から取り組む


上記の3つが大きなところでした。


1.集中と拡散         

①の集中モードと拡散モードの切り替えですが、これは「集中したら、一度意識をそらす。」という方法です。集中し続けると、ストレス過多になり逆に考えられなくなるのだと言います。


集中したら、散歩に出てぼーっとする。

狭く見たら、広く見る。

1つの説明で分かったら、別の説明で同じことを言っているものを聞いてみる。


このようなやり方を繰り返すことで、考え方が柔軟になるようです。

これを利用したテクニックに、「ポモドーロテクニック」というものがあります。

25分間集中したら、そのあとは好きなことをする。

これを繰り返して勉強を持続させやすくすることができるというもの。


多くの人が実践しているテクニックですので、聞いたことがある人も多いかもしれません。



2.問題が解けたら終わりじゃない 

どういうことかというと、別のやり方だとどうなるか?組み合わされたら自分はできるのか?など、常に多くのルートを考えるようにすることを意味しています。


”最初に浮かんだ方法が最適解とは限らない”


このように考えて道をたくさん探していると、ひらめきやすくなるらしい。

違うやり方を探してみることは、二度手間のような気がして面倒ですし、一度出た答えを覆すかもしれませんからなんだか怖い。しかし、これをめんどくさがっているようでは、ひらめき力強化には至れないのかもしれません。


賢い人たちは、思考することをめんどくさがらないのでしょう。

そして、思考することを楽しんでいると言えます。



3.まず難しい問題から取り組む   

これは、拡散モードを働きやすくするテクニックと似ています。

難しい問題に挑戦してがっつり集中する。その次に簡単な問題を解くことで、拡散モードが働いてひらめきやすくなる…というわけです。


ついつい、簡単な問題から取り組んで徐々に難しくしていくのがセオリーであるような感覚を持ちますが、むしろ難しいほうからやれというのは面白いですね。



上手な勉強の仕方

では、ひらめきやすくなる基本がわかったところで、上手に勉強する方法へと入りましょう。


  1. 記憶法
  2. 課題への向き合い方
  3. 独習のすすめ


大きくわけるとこの3つが特に大事であると感じました。


1.記憶法          

何かを覚えたいときは、思い出すのが大事。


…実に簡潔な答えですね。

答えを読んでわかった気になることなく、間をおいて思い出せるかを試すこと。それを繰り返すことを勧めています。


チャンク(まとまり・関連すること)ごとにして、自分の感覚をフルに使って覚えていく。それを反復するボトムアップと、逆に全体像からみて「そもそもこれなんでこれだった?」と掘り下げていくトップダウンの両方が紹介されていました。


また、

「人に説明できてこそ完成」

という言葉も印象的。いかに知ったかぶりにならずにいられるかが重要なようです。



2.課題への向き合い方    

とにかく、先延ばしにしないことが大切だと語られています。

勉強が嫌い・好きじゃないことに取り組んでいる…と考えていると、後でいいや・今じゃなくてもいいや…と考えてしまい、いつの間にか期限は終了しているなんてこともあるでしょう。


とにかく、まずやりだしてしまうことがおすすめされていました。



3.独習のすすめ       

ここまで、賢い人たちができているという取り組み方を紹介してきましたが、頭のいい人たちだったらなんでもうまくいくかというとそうではないんですね。

実は何事も続けられなかったり、飽きて極められなかったりする。能力を無駄にしてしまっているケースもあるわけです。


大切なのは、独習。

教えられてすぐわかるよりも、自分で学んで、目標に向かって没頭するちからのほうが重要だということです。


粘り強さは知能より大事。

「自分なんて…」と思わずに、カメの歩みでも進む強さを身につけたいものですね。



感想          

賢い人たちは、このような本を手に取ることなく、自然とやっている気がします。きっと才能・遺伝・両親の教育方針の良さ・環境の良さがあるでしょう。


それでも、後天的に手に入れようと努力して手に入るものというのは、人生に大きな影響をもたらすのではないかと考えています。


自然と身についた良さもあるでしょうが、自ら求めて手に入れたちからには愛着がわくし、少しの失敗はダメージになどなりません。


  • 試行錯誤する強さ
  • 試行錯誤するしつこさ


これを持てるようになって、ひらめき力が身についたら最高だなーと思います。


おとなだからこそ、理論がわかって、求める理由もはっきりしていると言えるはず。何歳になっても挑戦する存在でありたいなと思わせてくれました。



まとめ         

  • 集中と拡散をうまく使い分けよう
  • 人間の脳の仕組みをうまく利用しよう
  • ひらめきは一日にしてならず


このほかにも様々なテクニック、考え方が載っています。

ぜひ読んでみてくださいね。

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