故:立花隆特集!知の巨人の本3冊のご紹介
熟読・精読すべき本3選
今日は、一気に3冊ご紹介していこうと思います。知の巨人と言われた故:立花隆氏(文藝春秋ジャーナリスト)の本たちです。
本当に頭がいいというか、
- 調べつくしてから挑む取材
- 専門家レベルまで理解するから生まれる質問力
- ぶれない文章力
など、尊敬しかなかったです。
私よりもずっっと読書家である方から、「文章力の高さ・賢さを感じたいならこの人」とおすすめされたのが立花さんの本でした。かなり厚みのある本で、読書にあまり慣れていない人にとっては挫折しそうな仕上がりですが、じっくり読んでみてほしいですね。
精神と物質
”分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか 精神と物質(立花隆・利根川進著/文春文庫)”
こちらは、ノーベル賞を受賞した分子生物学者の利根川進さんに立花隆さんがインタビューしたものをまとめてくださっている本です。基本的に、お二人の会話を中心に書かれ、時々立花さんの注釈・説明をはさみます。
- 利根川進さんとはどんな人なのか?なぜアメリカにわたることになったのか?
- 利根川さんが研究していたこととは何か?
- 科学者は生命の謎をどこまで解けそうか?
といった内容が語られています。
ここがすごい!
お互いの知識の深さが素敵です。
立花さんはジャーナリストで研究職ではないはずなのに、どれだけ勉強してからこのインタビューに挑んでいたのだろう?と感心するばかりでした。
そして、「なぜ?」と思うポイントが本当に鋭くて、中途半端な研究者であればしどろもどろになるであろうくらいの質問を次々繰り出します。地頭の良さ、気づきの能力の高さもうかがえます。
また、利根川さんのノーベル賞受賞に至るまでの道のりはがとても濃く、人生訓になるような言葉もたくさんちりばめられていますので、非常に学びが多いです。
インタビュー形式ですから、難しい言葉は省いてくれていますので、いくらか読みやすいと思います。
脳死
”脳死(立花隆著/中公文庫)”
文庫なんですが分厚く…難解というよりは、とにかく重厚な作品。論立ての厚みがすごすぎでした。
30年以上前、厚生労働省が脳死→臓器移植という流れを推し進めるような脳死判定基準を出した。立花さんは、その基準をあらゆる角度から検証して批判していきます。
- そもそも脳死とはどういう状態か?
- なぜ基準が作られたのか?心臓移植を早く推し進めたいからか?
- 脳死は間違いなく判断できるのか?
- 立花さんの思う必要な判断基準
などが1冊にまとめられています。
私は読むのにはかなり時間がかかりました…が分析の仕方に感嘆するばかり。きっとインタビューされた医師はタジタジだったことでしょう。
立花さんは、脳血液の完全停止を基準に入れるほうが脳死と判断するタイミングとして妥当なのでは?と言っていましたが、今の医師の世界ではどうやっているのでしょうか?
そこまで厳密にしなくても、結果遅かれ早かれ亡くなっていく命であることには変わりがないので、脳死→臓器移植という流れになっているのでしょうか?
医師の権限の大きさにも驚きつつ、命に対しての考え方を変えてくれるインパクトがありました。
文春ムック「知の巨人」立花隆のすべて
”永久保存版「知の巨人」立花隆のすべて(文春ムック)(文藝春秋特別編集)”
ムック本です。これは精神と物質・脳死の2冊を読み終えた後、たまたま図書館で発見して借りてしまった1冊です。
初めて知ったのですが、立花さんが有名になったきっかけが、「田中角栄研究」という文書なのだそうです。
- 田中角栄氏がいかにしてお金を集め、総理大臣までになったのか?
徹底的に取材し、田中角栄氏の金脈についてまとめたもの。この発表の後に田中角栄氏は東京地検に出頭することとなってしまいました…
立花さんはジャーナリストとして大当たりの記事を書きあげた人物として一躍有名になっていきます。
そのほか、生活時間のほとんどの時間を勉強に割いてきた立花さんなりの勉強の仕方(プレッシャー勉強法など)、司馬遼太郎対談、東大生に送る特別講義、山中教授対談(がん細胞とiPS細胞の紙一重さ)、がんとは何か、立花さんの人生やそれに影響を受けた方々のお話などなど…これ一冊で立花隆通(つう)になれると思います。
このように、1人の人物を掘り下げて知っていくと、著作を読むときの印象も変わってきて面白さが増しますね。
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