シェイクスピア古典を読んでみる

 不思議な魅力を持つ古典文学

今日はシェイクスピアの作品をいくつか紹介していこうと思います。

最も有名なロミオとジュリエット、ハムレット、オセロー、リア王、マクベスではない作品たち。私のアメリカ人のお友達が好きだと言っていたもので、私も日本語訳でですが読んでみました。

ラストがどこにおさまるのかまったく予想がつかない。そんな面白さがあります。また、昔の人たちが考えていること、感じることが奇想天外・奇妙で、私たちとはひと味違う価値観を持って生きていたことを教えてくれます。


こんな人におすすめ!

  • 古典文学に興味がある人
  • シェイクスピアの作品を読んでみたい人
  • 古典を読みたいけど手始めにどれがいいか迷っている人


シェイクスピアはどんな人?

本名:ウィリアム・シェイクスピアWilliam Shakespeare

年代:1564-1616

イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物と言われ、最も優れた英文学の作家とも呼ばれている人物です。

残した作品は近代英語の貴重な資料となっており、英語がどのように生まれて形を変えてきたかを知るうえでも偉大な遺産を残してくれています。シェイクスピア自身に関する資料が少ないので、存在していなかったんじゃないかと言う研究者もいるようですけどね。



作品をいくつか紹介!   

ここではおもしろ作品を3つご紹介。簡単なあらすじを載せますね。


1.夏の夜の夢ーA Midnight Summer Night's Dreamー

『ライサンダーとハーミアという、愛し合った二人がおりました。

しかしハーミアに恋するディミートリアスは、諦めきれずにいました。さらに、そんなディミートリアスに想いを寄せるヘレナという女性もいて、関係は複雑でした。

一方、妖精のオーベロンは、妻である妖精の女王ティターニアとケンカをしていました。美しい「とりかえ子」をめぐり、取り合いをしていたのです。従者であるパック(ロビン)に命じて恋する薬をティターニアの目に塗らせ、別の者に恋をさせているうちにその子どもを奪おうと画策します。

しかし従者パックはティターニアだけでなくライサンダーの目にも薬をかけてしまいました。4人の人間たちの関係性はぐちゃぐちゃになり、ヘレナの取り合いが始まるのです。事態はおかしな方向へと進み始めます…』


ローマ神話に由来する妖精たちのお話。

従者であるパックはいたずら好きな妖精として知られ、この作品の中でも事の発端になる存在。人間たちのドタバタ劇に妖精たちのドタバタ劇も加わっているため一層にぎやかな作品になっています。



2.から騒ぎーMuch Ado about Nothingー

『ヒアローに恋する好青年クローディオは、ドン・ペドロの助けを借りて彼女と結婚しようとしていました。

一方、犬猿の仲であるベネディックとビアトリスらもまた、実は想いあっていたことがある二人。ドン・ペドロはこちらのカップルも成立させようと考えます。

ところが、ペドロの弟で私生児であるドン・ジョンは、仲間たちとともにクローディオ&ヒアローの仲を裂こうと画策し始めるのです…』


二組のカップルについてのお話。

ヒアローが浮気女であるという誤解が出回ったせいで、クローディオが彼女を断罪し始めるシーンがあります。もちろんそれはジョンの計画のせいなのですが、ちゃんと理由を聞かずにとにかく罪を酷評し続けるクローディオのことを見ていると、「なんなんだこの男…」と思わずにはいられません。



3.じゃじゃ馬ならしーThe Taming of the Shrewー

『昔々、かたくなで強情・激しい気性を持ったじゃじゃ馬キャタリーナがおりました。ペトルーチオは彼女と結婚することで広大な土地・お金を得ることができると知り、彼女に求婚を始めます。

しかしその方法はまさに驚き。寝食を奪い、怒鳴り散らすことで飼い慣らそうとするのです。

別の場面では、キャタリーナの妹であるビアンカの取り合いが始まっていました。美しくおとなしい女性であるビアンカはとにかく人気。グレミオ、ルーセンショー、ホーセンショーの三人はあの手この手で口説こうと必死です…』


妻は夫に常に従うべき。

そんなメッセージが聞こえてきそうな物語となっています。もてはやされる妹ビアンカと甘やかす父親に対するキャタリーナの反抗も見え隠れし、絶妙な心理描写がありますので、なかなかの面白さ。

…しかし飼い慣らそうとするやり方は常軌を逸しているので、嫌な気持ちにもなるかもしれません。



感想          

シェイクスピアは本当に多くの作品を残しています。どれも複数の人物たちの物語が複雑に絡み合い、最後までわからない展開にハラハラするものが多いです。

四大悲劇を描いていた時代は、主人公の精神的な苦悩・行動に焦点があり、理想と現実のギャップに苦しんでいる様子がひしひしと伝わります。晩年になると芸術的な側面が強くなっていくとされ、また違った印象の作品が多いです。


古典だからと言って内容は難しすぎることはありません。短編も多いですし、気軽に楽しめると思います。

古典は訳者によって解釈がわかれることがありますし、昔の日本語訳だと余計にわかりづらいこともあるでしょう。現代の新訳もたくさん出ているので、そちらで読んでみると良いかもしれません。


1500年代の終わりから1600年代初期のシェイクスピアの作品たちは多くの演劇のもととなっています。その作品でシェイクスピアが表現したかったであろうことは、時代に合わせて何度もリニューアルを重ねながら受け継がれている…そんなことを思うと、なんだか感慨深い気持ちになりますね。



まとめ         

  • 古典を読み始めるならシェイクスピアをぜひ
  • それが描かれた時代に想いを馳せよう
  • オペラの理解も進むはず

特に「じゃじゃ馬ならし」は何度も映画で描かれている作品。原作のインパクトをぜひ感じてください。


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