ミライをつくろう!VRで紡ぐバーチャル創世記

VRを広めようと奮闘する著者のパワー 

メリークリスマス!(本日は2022年12月24日クリスマスイブです)

今日の記事は、”ミライをつくろう!VRで紡ぐバーチャル創世記(GOROman著/西田宗千佳 編/翔泳社)”の紹介です。

VRにはまったく詳しくないのですが、映像の中に自分が入り込む体験型のゲーム…という認識はありました。

VRが日本で広まるまでには色々な人の想い・行動があったことをこの本で知りましたね。

「このすごい技術を日本の人に伝えたい!」

というエネルギーがよく伝わる一冊です。


こんな人におすすめ

  • VRに興味のある方
  • プログラマー・エンジニアに興味のある方
  • 将来の仕事について考えたい方



概要          

文章の構成          

前半は、著者であるGOROmanさんの伝記のような内容です。どのような人生を歩み、VRに辿り着いたのか?紆余曲折に共感できる人も多いと思います。


後半になると、VRをビジネスにしようと決意し奮闘していく様子や、将来VRをはじめ様々なIT技術が生み出すであろう可能性のお話が中心になります。

どのお仕事にも一長一短があると思いますが、将来の仕事について考える一助となってくれるでしょう。特に学生の方が読みやすいと思います。



GOROmanさんの子ども時代   

GOROmanさんの子ども時代は、とにかく「バラす」ことが大好きだったようです。動いているものは仕組みが気になって仕方がない・説明書を全部読んですべての機能を理解していないと気が済まない…すでに、エンジニアの血筋・環境が整っていたようです。

あらゆる「何かを成す人」というのは、とにかく熱中できるものを1つ以上お持ちですよね。GOROmanさんにとってはそれがエンジニアの道だった。


平々凡々に生きて、何も手にすることなく過ごしてきてしまった者からすると、眩しい生き方。しかしお話に想像を膨らませ、追体験させてもらえることは嬉しい限りです。生きることに”熱”のある方のお話は、どれもワクワクしますね。


しかし一生懸命な人が何もかもうまくいくわけではありません。

ゲームプログラマーの道へ進んでいったものの、望んだ仕事ができずにいる日々が語られています。打開しようと本を読み漁って勉強して、自分がやりたいことを見つけていく。

その姿に励まされもすると思います。



VRで人がクリエイティブになる 

新しいものや、自分が面白いと思ったことを人に伝えたい……。

GOROmanさんのやりたいことが、VRという当時最先端の技術と合わさって、どんどん加速していきます。


そのお話の中で一番印象深かったのは、繰り返し作業から解放された人間の向かう先です。

人間はより「クリエイター」になっていくんだと考えています。

AIは人間がまず必要な仕事を教えて、作業をする存在。

とっかかりの「何かを生みだすこと」は人間にしかできないことなんだなと再認識しました。もしかしたら何かを繰り返しているのかもしれないけれど、確実に知識と経験を蓄えて、次世代に繋いで、時代に沿ったものが生まれる。


世界が平和を保ちさえすれば、人間は人間にとって便利なものを試行錯誤して生み出し続けると思いました。



変わっていく学び方     

すでにオンラインでの授業が広まっていますが、そこにVRが組み合わされたときの可能性についても紹介されていました。

本を通して学びを深めたいと思っている私からすると、ついついよく読んでしまうテーマでしたね。


2Dのオンライン授業も十分面白いなと思っていたけれど、そこにVRでの映像技術が加われば、より「リアルさ」「学びの能動的効果」を得ることができる。

また、オンライン授業の新たな形がさらに浸透していけば、授業が本当に得意な人・能力の高い教育者の授業により多くの人が集まるようにもなるでしょう。学ぶ者にとっては非常に良いことです。

教える側にしてみれば、必要な教師の数が減って失業にもつながるかもしれませんが、質の向上に役立つとも考えられるし、現在の教師とは別の役割が将来的に生まれる可能性だってあります。ルールをその都度考えて、良い方向に進むように道がつくられていってほしいなと思います。



感想          

VRのお話ではあるのですが、VR含め様々な人間活動がAIやその他の技術に置き換わっていくことを考えると、これからの人間社会についてついつい想像がめぐりました。


世界の変わっていくスピードがどんどん加速していることは、なんだか宇宙がどんどん膨張しているのとイメージが重なりましたし、悩むだけ無駄なくらい先の世界について少し恐れも感じられるのです。

私たちは時間を飛び越えることができないのだから、今を一生懸命生きていけばいいのだという答えには戻ってくるのですが、何かが崩れてしまうこと・変化を恐れてしまっている側面もあるかもしれません。

国の概念すら取り払われて世界が混ざっていこうとする…そのことにはワクワクしています。ただ、何かが失われるということでもあるだろうから、楽しみのドキドキと恐れのドキドキが混ざった感覚ですね。


どういう形であれ、生きることに前向きになることが、自分のためだし他人のため・世界のためになるとは思います。色々な人がいるし思い通りとはいきませんので、受け止め、受け流し、幸せであるよう努めたいものです。

そこにVRや様々なネットワーク技術がうまく機能して支えてくれることを願います。



まとめ         

  • バーチャル世界の可能性を知ろう
  • チャレンジし突き進む行動力を持とう

とにかく熱量・勢いを感じる1冊です。GOROmanさんはVRを広めようと決めるきっかけとなる人物と幸運な出会いをしていますが、人との出会いは強いエネルギーの引き合いなのかもしれませんね。

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