人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

 実力だけで勝負は無理な時代

2023年も2月となりました。最近は読書量を抑えており、積読本ばかりが増えている状況です。早く読み進めたいのですが、それもまた楽しみにして日々のこと・やりたいことをクリアしていこうと思います。


※ブログ投稿頻度がすっかり落ちておりますが、年内にペースを安定させますのでよろしくお願いいたします。


今日ご紹介するのは、”人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている(ふろむだ著/ダイヤモンド社)”という1冊。

ブログの発信から瞬く間に書籍発売へと至ったインパクト抜群の本で、痛快な語りで

「実力で勝負なんて嘘だ」

と言い切っています。

仕事における努力の仕方を変えるきっかけになる、非常に実用的な本です。



こんな人におすすめ

  • 努力して実力を高めてきたのに理解されないと感じる人
  • 心理学に興味がある人



概要          

文章の構成          

著者であるふろむださんとオーディエンスが登場する形式です。

ふろむださんの主張に対し、率直な反対意見があちこちから飛んできて、その1つ1つにふろむださんが答えていきます。活発な議論を1冊にまとめたような本です。


文章は固すぎない口語的なつくり。わかりやすい挿絵やグラフがいくつも登場するなか、かわいげと憎たらしさを共存させたようなキャラクターたちが反対意見をぶつける。コミカルな掛け合いが心理学の解説も読みやすくしてくれていますね。

ページ数は365ページとなかなかのボリューム。しかし含まれる文章量は多くないですから、一気に読めてしまうと思います。



強力すぎる無意識の影響    

P20 「実力がある」から、よいポジションを手に入れられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、よいポジションを手に入れられているという部分が大きいのだ。

この本のテーマは、

いかにして錯覚資産をつくりあげるか

です。

まずはなぜ錯覚資産が私たちの人生に必要なのか?その肉付けとなる理由が次々に説明されていきます。


私たちが見る世界は常にバイアスがかかっていて、そのことに気づいていない人がほとんどである。どんなに”正しく””公平に””誠実に”と思っていても、

人は自分が直感的に気持ちがいいと思う行動を選ぶ

と言うのです。

「直感的に正しいと思える間違っていること」を正しいとしか思えない

そんな生き物であることを私たちは自覚させられます。



サイクルを回す        

成功するにはどうするか?

それは「錯覚資産」をつくりあげることがまず必要である、と筆者は語ります。


なぜなら、

私たちは、「実力があればのし上がれる・実力がないから失敗する」と考える傾向にありますが、実際には

  • 運と実力はほぼ半々

さらには

  • 運と実力と錯覚資産で三等分

であるから。


ハロー効果により、容姿が良かったり、肩書きが素晴らしかったりすると、そのほかの要素もすべて全体的に優れているように感じる。自分の人生を成功に導くには、この特徴を利用することが近道となるのです。

だからこそ、いろいろなチャレンジが必要です。ハロー効果が得られそうな仕事や役割をとにかく手に入れること。その中で、実力を磨く努力もすること。

  • 実力
  • 環境
  • 錯覚資産
  • 成果

すべてをうまく整え循環させることで、成長機会は莫大に増えるのだと著者は語ります。



私たちの生き方は醜悪か    

  • 自分に都合のいい思考の錯覚を起こさせる。
  • 相手の思い浮かびやすい存在になるため、接触を図る。
  • 一貫して偏ったシンプルでわかりやすいストーリーを言い切る。

などというやり方は、醜いと思われる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、人間というのは好き嫌いで意見をつくり、それと矛盾しないようなつじつま合わせを頭の中で行って、好きなものならどこまでも信じようとする。この特徴はよく理解しておかねばなりません。


実力だけでは勝てないのです。

錯覚資産と運を自分でコントロールし運用することで、自分の仕事をより良いものにしていく。

そして自分が利用される側になったときには、常に自分自身を疑って「正しさ」を見極めて判断する。

ゆがみを理解し、利用して、人生を豊かにすること。これが筆者の願いです。



感想          

私たちがいかに無意識に支配されているのかを知ると、なんだか滑稽ですね。どれほど優秀でも、思考のバイアスを取り除くことは困難で、誰かの意図した術に簡単にハマってしまう。現代では多くの人が心理学・脳科学を学んでいますが、それもそのはず、心理学・脳科学は人の心をつかむのに非常に重要な要素なのです。


この本は、それを面白おかしく、そして正直に語っている本であると思いました。踊らされるのでなく、踊らせる側になる。そんなことができたらまるで魔法のようですよね。

相手をコントロールする…というとなんだかあまり居心地悪い気持ちになってしまいますが、これも自分自身の認知のゆがみ・バイアスがあるからでしょう。

人生を1回きりのゲームとして豊かにするには、必読の1冊であると思いました。



まとめ         

  • 成功するには錯覚資産をつくることが必要
  • 認知バイアスが直感をゆがませると理解する
  • 誰かが困ったときに真っ先に思い浮かべてもらえる人になれ

様々な人の認知バイアスについて学ぶことができます。学生でも社会人でも楽しく読める1冊です。

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