The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

 短期決着を求め過ぎないこと

こんにちは!今日ご紹介するのは、”The Long Game 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために(ドリー・クラーク著/伊藤守 監修/桜田直美 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)”という1冊です。

ビジネスや人生におけるテクニックを伝える本ではなく、自分の達成したいものに向かって努力を続けている人への応援の意味が込められた本であるように感じています。

どうしてもタイパ・コスパを気にするのが現在の日本。そのため、短期間で・要点だけ・結果だけを追い求めてしまう傾向にあります。


そんな私たちの歩みを一旦止めて、こちらのロングゲームを読み、願望実現に向けてともに頑張っていけたらいいなと思います。


こんな人におすすめ

  • 最近ゆとりがなく、人の成功が羨ましく思える人
  • 自分の人生の意義について考えている人



概要          

長期的思考を持つ勇気      

短期的には結果が得られずとも、諦めずに・粛々と進み続けようとする強い意志が試されている。

この本が伝えている成功への秘訣は、「余白」、「集中」、「信念」です。言い換えると、「忍耐の大切さ」「努力・行動の継続」「運すらも惹きつけるエネルギー」であると思います。

P13 ある製品やビジネスがスケールするまでには、5、6年かかるのが一般的だ。

この数字を見て、あなたなら耐えられるでしょうか?

短いだろうそのくらい、と思えるか。

もしくは、長いからあきらめようとなるか。

それでも進んでみようと考えて、行動し続けるのか。


私たちは常に選択を毎日迫られており、仕事の事だけを考えるわけにもいきません。それでも、仕事は私たちの人生の大半を占めています。

何かを始めるにも、続けるにも、辞めるにも、どれもエネルギーが必要です。誰も成功への道のりを一から教えてくれる人などいないので、自分で決めて・悩み・時に喜び・落胆し…一喜一憂しながら進んでいくのです。


ハッピーエンドが約束されているかどうかがわからないから、悩みは尽きません。しかし著者は、

P19 「欲しいものはほぼすべて手に入る」と理解することだ。ただし、すぐには手に入らない。

と述べ、「余白」、「集中」、「信念」があれば、きっとゴールにたどり着けると言います。



忙しさを理由にするな      

まず「余白」について考えてみます。


忙しいと、前に進んでいる気がします。また、それだけ人から頼られ、求められていると感じることもできます。

しかし、それは本当に自分がやってみたいことにとって必要な時間でしょうか?

人生において、無駄なことなんてないと言うけれど、やりたくもないし得られるものが自分の求めるものでないことだと気づいたら、それに費やす時間は無駄ではないのでしょうか?


自分にとって必要なことの棚卸をしましょう。

何を選び、何を捨てるかです。

自分にできないことを受け入れる作業が必要です。

忙しい環境からいったん離れ、自分と向き合う時間を持ち、時には少し気まずくなってもいいから、「No」と言わねばならないのだと著者は言います。



ただ単に行動し続けるだけでもいけない 

次は、「集中」についてです。


努力はするべきだし、継続することも大切。しかし、その方向が間違っていることが往々にしてあると思います。

正しい目標とは何なのでしょうか?

自分のやりたいこととは何でしょうか?


日本の学生は、大学入学が勉強のゴールのようになっていて、大学生・社会人の学びへの投資は世界でもかなり低い水準になっているそうです。会社側も、学歴を見て能力を判断することが長年の風潮で、入社してみてからがっかり…なんてことも多いとのこと。


そりゃそうだ、学生に長期戦略を持って稼ぎ幸せに生きる方法を一から教えてくれる人なんて、存在していないのですから。稀に思考力のある人が気づき、そんな人は勝手に引く手あまたになりますが、そうでない人は訳の分からぬうちにドロップアウトしてしまうことがあります。


P74 何をすべきか迷ったら、いつも面白そうなほうを選びなさい

どんな人間になりたいか。

自分はどこに行きたいか。

この問いを学生の頃に問われても、知識や経験のない状態ではうまく答えられなくて当然です。私たちの問いは、社会に出てからこそ深まり、方向を定めて努力することを求めます。


ある程度の収入を確保しつつ、自分の挑戦に投資し、やってみたいと思えたことには素直に・集中して取り組みましょう。それが、道を拓くヒントに繋がっているのだと教えてくれています。



長期的に・かつ期限を決めて挑む  

最後は「信念」についてです。


すぐには成功しないのだから、時間をかけて進んでいくと決めること。これが第一歩となります。しかし、いつまでもだらだらと、時間を投資し続けるわけにもいきません。

○○年でここまで。

という期限を自分に与えましょう。そして、それに向かって集中するのです。


何も手掛かりがないのならまずは学びから。情報を集め、途方もなく思えるような道のりの最初に勉強を始めましょう。


そして、創造する。

ある程度進んだら、形にしてみる。自分のできることで、何かを形にして、それを求める誰かに還元するのです。

創造するもの・自分の武器となるものは必ず力になってくれます。自分に自信を与え、進み続ける原動力になることでしょう。


そこからは、同じような考えを持った人たちとつながりましょう。

努力は一人でするものだけれど、同じような境遇の人・夢を持つ人たちは必ずどこかにいます。コミュニティも存在していることが多いでしょう。そんな場所に出向き、人と出会いましょう。そうすることで、自分の遺したものに対するリターンを収穫するときがやってきます。

ただし、相手から貰うために行動すると失敗するそうです。自分が何を与えられるか?メリットを与えてあげられるか?が大切で、さらにそのリターンだっていつ得られるかはわからない。それでも、最初の目標を見失わずに進みましょう。


そして、長い過程を愉しみ、歩みを止めずに進んでいきましょう。



感想          

これは正しい努力なのか?それは自分では見失いがちです。

しかし、たいていの努力は、自分一人で行わなければなりません。助けてくれる人はいるかもしれないけれど、答えを教えてくれる人はいない。進み続けるかどうかを決めることは、一人ひとりの覚悟にかかっています。


私自身、いつも「失敗」のような体験を繰り返してきました。

やってみたいことが見つかって、とりあえず開始。数年続けられはするが、どうやら芽が出ないし、なんだか家族も嫌そうで、辞めた方が楽だな…なんて気持ちになり、いつの間にかあきらめる。それでもどこかでいつも引っかかっていて、また中途半端に始めて、嫌になって…という何とも意志の強さの欠片もない行動をしてきました。

学び、創造し、つながり、収穫する。

このイメージを持って自分のやりたいことに向かっていきたいと思わせてくれたこの本には非常に感謝しています。

テキトーにはやらない覚悟を持って、それでも愉しむ余裕や思考する余白も持って生きる。それは難しいことではなくて、決めたらできることなのだとこの本は思わせてくれたし、これからも生きることに一生懸命になって、人生を彩り豊かなものにしたいなと感じました。



まとめ         

  • 目標達成・願望実現に向けて、長期戦を覚悟しよう。
  • 途中で方針変換があってもいいから、止まらずに進もう。
  • 学び、創造し、人とつながって、収穫の時を待とう。

何が成功であるかということは、一概には定義できないものです。時には、諦めたからこそ得られたこともあるかもしれません。自分の心がしがらみから解放されていけば、おのずと何らかの形をしたハッピーエンドに繋がるのだと思いました。


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