BRAIN DRIVEN モチベーションはどうやったら高くなる?
脳のパフォーマンスを上げよう
だんだんと春もすぎ、すでに初夏の陽気になりつつある今日この頃。体調を崩しやすい季節ですが、みなさんはいかがお過ごしですか?
今日ご紹介する本は、”BRAIN DRIVEN(青砥瑞人著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)”という本で、
・やる気が出ない
・やりたいことがわからない
・クリエイティブって何?
そんな状態からモチベーションみなぎる状態に持っていくためにはどうしたらいいのか?そのヒントをまとめたような本になっています。
こんな人におすすめ
- モチベーションの上げ方を知りたい人
- ストレスとうまく付き合いたい人
- クリエイティビティを身につけたい人
概要
文章の構成
モチベーション、ストレス、そしてクリエイティビティの3つに関して書かれた本ですが、
モチベーションを上げるためにどうするか
という点についてのお話がやや多めです。
また、前提として、この本の言う「神経科学的な観点から見たモチベーションの定義」というのは、
「脳の高次機能または学習に関わる行動を直接的に誘因する、体内および脳内の変化を認識した状態」
となっています。
- ○○したほうが仕事が捗る!
- △△すると集中できる!
- ××したいのにうまくいかない
- □□したいのに続けられない
こういった現象が生じるとき、脳の中ではいったい何が起きているのか?それを知ることによって、自分のモチベーションを意識的に高く保っていくのに役立つのです。
脳の機能について説明しているので、やや難解な専門用語も登場します。医療系のお仕事をしている方にはなじみが深いかもしれません。
快感を長続きさせたいのになぜ続かない?
- ラーメンが食べたい!
- ワクワクしてる!
こういう時は、脳の中でドーパミンが出ているそうです。
そのあと、ノルアドレナリンが合成されて実際の行動が起こります。
さらに、βエンドルフィン系がはたらき、もっと行動したい!と考え始める。
快感=”楽しさ”、”ワクワク感”は間違いなくモチベーションを上げ何かを持続させるためのきっかになるということです。
楽しいことは続けられる。楽しくないことは続けられない。割とシンプル…かと思いきや、実は「もっと行動したい!」と考え始めるあたりに、コルチゾール系の神経物質が放出されて、拮抗的な働きを及ぼします。
つまり、楽しさマックスなときに水を差す輩が登場するのです。
楽しくてやり始めたことなのに、なぜかもうやめたいって考えている…身に覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
せっかく始めたことなのに、自分は忍耐がなくて続けられないんだ。結局自分はそういう人間なんだ。続けられない人間だからダメなんだ…そんなことを考えたことがある人もいるでしょう。
楽しくてやり始めたことが、なぜかだんだんと理想と現実の乖離・自分の至らない点に気づくようになり、ストレスが増え、続けられなくなる・やらされているのだと考え始め、ついにはやめてしまう。そんな無限ループは、頑張ろうともがいている人ほど経験しているかもしれません。
もっと行動したい気持ちに脳がわざわざブレーキをかける。そういう機能があると知ると、なんだか気持ちが落ち着きますよね。「誰でもそうなんだ」と安心できませんか?
また、大人ほど学びの定着には時間がかかります。
子ども(15歳くらいまで)であれば、成人よりも神経のシナプスが多い。多感で、吸収しやすい時期というはそういうことなのですね。
そこから、使われないシナプスは消えて、よく使うシナプスが残る。ダーウィンの進化論と同じで、脳内シナプスにも自然選択が働いているようです。
年を重ねるほど、必要なものだけを残してほかの可能性を消していく。大人は新しいものを受け入れにくいなどどいわれるのも納得しますね。
このことを知らないと、続けられない・成果が出ないことにどんどんモヤモヤして、そのうち「自分に向いていないのかな」とか考え始め、「きっとほかに得意になれることがある…」と思い至り、やめてしまうわけです。
ドーパミンをモノにする!
では、せっかくやり始めたことをうまく自分のものにする(継続させる)にはどうすればいいのかというと、
- 自分のドーパミン放出のタイミングをメタ認知する
- 何度も思い返して繰り返し味わう
- できる人は、”痛み”を利用する
この3点が例としてあります。
まず、大人ほど学びの定着には時間がかかるということをしっかりと自覚しましょう。「気づき」が大切です。
そして、なんだかやる気が落ちた時ほど、自分の内側と向き合ってみましょう。人それぞれモチベーションの在り方は異なります。なぜ気分は落ちたのか、どんな環境ならできるか、目的を失っていないか。自分で自分をモチベーションを高めやすい状態に導くのです。
できる人は、自分で望んで自分を追い込む、という方法もあります。自分で決めた苦しみは自分を強くする可能性もあるとされています。筋肉を鍛えて少し傷つけると、そのあとの回復で筋肉は大きくなる…筋トレの超回復と似ていますね。
過度なストレスは毒だが、軽いストレスは人間には必要なことです。(こちらはストレスの章で詳しく解説されています)
ただしこれが逆効果になる人もいるでしょう。ネガティブが力をもたらす人と、ポジティブが力をもたらす人がいるので、自分の内側としっかりと向き合って、どの方法がベストなのか模索する必要はあります。
自分に期待することは忘れずに、でも少しずつ調整していく。自分の成長した部分にいかに注意を向けられるか、ということを考えてみましょう。
クリエイティブな発想を引き出すには?
ここまで、モチベーションのことばかり述べてきました。ここで、クリエイティブになるための方法の1つを紹介しておきますが、
物事に強く浸り続けること
が紹介されていました。
私の以前のブログ記事で「直観力を高める数学脳のつくりかた」という本をご紹介させていただきました。(記事は下のリンクからどうぞ)
https://www.otonadokusho.co/2022/04/blog-post.htmlm
こちらの中でも、ひらめく人は集中と拡散を切り替えている、ということが書かれていましたが、やっぱりクリエイティブ・ひらめくという能力のためには、どっぷりと意識的に浸かって集中することと、その世界から脱却することの繰り返しが効くのですね。
感想
BRAIN DRIVENは、私が今まで読み続けてきた脳に関する本たちのまとめのように感じました。
感覚を大切にすることと、言語化することをバランスよくやる。
脳内のホルモンのこと。
メタ認知。
バイアスとの付き合い方…などなど。
各ポイントごとにまとめと挿絵が入っていますが、そちらもよくまとめられていて好きでしたね。非常に読みやすいと思います。
まとめ
- 自分の内側と向き合ってモチベーションを高めよう
- ストレスは完全になくすのでなく受け止めて付き合うもの
- 「何となく」にもっと向き合おう
脳の中で起こる実際の物質の動きに興味がある方も楽しめると思いますし、さらっとポイントだけを押さえたい人も各項目のまとめ&挿絵の部分をチェックするだけで知識はゲットできます。
ぜひ読んで、実践してみてくださいね。
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