学びのきほん 本の世界をめぐる冒険

 本の歴史をたどってみよう

私は読書・本がとても好きなわけですが、そもそも本のルーツとは何なのか?この本を読むことでいろいろと教えてもらいました。

今日は”学びのきほん 本の世界をめぐる冒険(ナカムラクニオ著/NHK出版)”を紹介していこうと思います。


こんな人におすすめ

  • 本そのものの歴史が知りたい人
  • これからの本の在り方について考えてみたい人


概要         

文章の構成         

前回紹介したこちら↓

https://www.otonadokusho.com/2022/04/nhk.html

NHK出版のシリーズになっています。

今回の「本の世界をめぐる冒険」では、易しい口語で本の歴史を紹介してくれています。現代の紙の本になるまでの歴史を一気にまとめ読みできるので便利です。



文字が生まれたとき     

もともと人が何かを伝えるとき、それはすべて”口伝”でした。

そこから文字というものが生まれ、石板や粘土、木簡、パピルス、そして紙へと記されて、過去のことを未来へ残すことができるようになったのです。

そのため、bookという単語には、「本、書き残す」という意味があり、そこから派生して「予約する」という意味も持つようになったようですね。

P25 占星術、農業、建築、政治、経済、医学、地理、歴史、数学まであり、当時の日常生活が手に取るように書かれていました。教科書、日記、手紙なども粘土板で発見されています。そう考えると、案外、人間のやることは、媒体が変わっても進化していない気がします。


あんまり変わっていない…と言われると、ほっとするような、残念なような。そんな気持ちになるかもしれません。



読書が大衆化されたとき   

古代のバビロンなどにみられるクレータブレット(粘土板)は紀元前3000年ごろから存在していたようです。

葦でできたパピルス紙は、なんと紀元前4000年から5000年ごろの誕生。しかもパピルスに書いた文字は海綿で消すことができたんだとか。

P36 葦は人の住む島であり、家であり、船であり、遊ぶ道具であり、時にはおやつとして食べたりもします。


これほど使い道のある道具だったことからも、葦がさまざまな場面で比喩的に使われるのは納得できます。


ヨーロッパでは羊皮紙、中国では木簡・竹簡が使われていました。今のような木材パルプへと発展する前段階の紙は、中国発祥とされています。それがヨーロッパへと伝わっていくのですね。


そして、ルネサンスにおける活版印刷術の普及に伴い、特権階級以外にも「読むこと」が広まり始めた。

知識は誰にでも平等に、何度でも振り返ることができるものになっていきます。

人の可能性が広がった、歴史上の非常に大きな出来事ですね。



これからの本の在り方    

今やブックカフェは当たり前のものになりました。ただ読むのではなく、得た知識・考え方を誰かと共有する、体験イベントが実施されるようになっています。


そして、人と情報をつなぐのが本である、と考えると、

インターネットは巨大な本であるとも考えられる、と著者は語ります。

これからは、インターネットの情報のほうが先で、それを本が追いかける形になるでしょう。紙とデジタル、両方のメリットとデメリットを補い合い、これからも本は人と人とをつなぎ続けていくのではないでしょうか。



感想         

こちらの本を読んでみて、1つ疑問に思ったことがありました。

それは、「読むこと」が大衆化し本での情報伝達が可能になったことで、卓越した記憶力を持った存在の価値が下がっていったのではないか?ということです。

同じように、現代においては、獣に勝てるくらい・重い荷物を運んで何kmも移動するくらいの筋力・体力も必要なくなっています。誰かがその仕事を機械を使ってやってくれるからです。


ということは、ヒトの原始的な能力はもしかしたら弱くなってしまったのかもしれない。そして、脳の機能も実はすべてを有効活用できているとは言えないのかもしれない。そんなことを考えました。…本の歴史を読んでいたのに、いつの間にかそんなことを憂いています。

昔のほうがよかった、なんて言いたくはないのですが、ヒトの生命力みたいなものは弱まって、形のないものにどんどん価値がシフトしている気がしています。


だいぶ話が飛躍しましたが。本の歴史は人の歴史。そしてそれを学ぶことは、これからの未来を考えるのにも役立つものだと思いました。



まとめ        

  • 本は人と人、人と情報を繋いできた
  • これからの本は紙×デジタル
  • 本は体験を記憶するものへ


これからの本の楽しみ方は、1人で楽しむものではなく、共有するもの。私のブログも、そんなツールの1つになればいいなと思います。

本の歴史を知る1冊。ぜひ読んでみてください。


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