運動脳
運動によって脳は鍛えることができる
今日ご紹介するのは、”運動脳(アンデシュ・ハンセン 著/御舩由美子 訳/サンマーク出版)”という本です。
「スマホ脳」という本でもおなじみの、スウェーデン出身精神科医の著作。
「健康的な生活をしましょう」と言うと、
- 適度な睡眠
- 適度な運動
- バランスの良い食事
の3つが必ず思い浮かぶと思います。しかし当たり前だからこそ、継続ができないものでもあります。
こちらの本は、運動の大切さ・いかにハードルが低く誰でもできることなのか、ということに気づかせてくれます。
こんな人におすすめ
- 運動が大事だとはわかっているけどなかなか行動できない人
- 脳の機能を落とさないためにできることを知りたい人
- 継続意欲が続かない人
概要
文章の構成
海外の著作で論文などをもとに述べていく本の特徴でもありますが、
- 言いたいことは序盤ではっきりしている
- その根拠をとにかくたくさんの研究報告・事例で厚くする
という構成になっています。
脳を鍛える方法は、非常にざっくり言ってしまえば、
- 心拍数を上げる運動を20分~30分/日
これが答えです。
いかに誰にでもできて、いかに脳に良い影響があるのか。これでもかと理由が並べられています。人によってはしつこく感じる人もいるかもしれませんが、個人的にはちょうど良く感じられました。
運動以外に考えられる対処法と比較してどちらがいいか?一般的に思いつきそうなことは網羅して説明してくれていると思います。
有酸素運動で海馬は大きくなる
ストレスは脳の機能を弱らせます。イライラは海馬を萎縮させ、記憶力を低下させる。
運動を行えば、逆に海馬は大きく成長する!
というのがこちらの本が強く主張しているものです(もちろん限度はあるはずです)。
運動することがストレスのコントロールに役立ち、薬物療法を取り入れるよりも大きな結果を生み出してくれるようですね。
以前も紹介したことがありますが、ドーパミンやコルチゾールなどの機能を正常に働かせてあげることが重要です。
【参考】BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高くなる脳の状態とは(青砥瑞人 著)
https://www.otonadokusho.com/2022/04/brain-driven.html
筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせ
もちろん、運動に苦手意識のある方もいらっしゃると思います。いきなり始めれば体にとってもストレスが大きすぎるので、
- ゆっくりと開始し、徐々に体を慣らす。
- 有酸素運動を少なくとも20分・できれば30分~45分程度実施する。
- できれば筋力トレーニングも併せて行うようにする。
この3つがマストになると思います。
こちらの本の中では筋力トレーニングに関しての詳細は割愛しており、有酸素運動20分以上を推奨していますが、筋力を一定以上に保つことは他書籍の見解からも明らかであると思われますので、ぜひ組み合わせたいところですね。
鬱(うつ)病に対抗する
ストレスのコントロールに役立つということは、鬱病などの精神疾患に対しても効果があるということ。
BDNF(脳由来神経栄養因子)
という物質をできるだけ生成させることが重要で、そのためには有酸素運動が確実な効果をもたらすのだそうです。
精神疾患に対してはすぐに薬物療法が選択されがちですが、運動と薬物療法を比較したとき、お手軽で結果が大きいのは「運動」なんですよね。
ただしやりすぎるな
では運動はやればやるほど良いのか?と言うと、そうでもないようです。
マラソンやトライアスロンなどの過酷なレースになると、むしろ忘れっぽくなってしまうこともあるとのこと。
また、ハードな運動は継続がより一層難しくなるものですし、
- 継続できる時間・頻度の有酸素運動
を選択するのがベストということでした。
これはむしろ朗報ですよね。きつい運動をする必要はないし、何時間も取り組む必要はない。日常に当たり前のように落とし込むことができたら、将来の認知症予防・日々の仕事での集中力アップ・ストレスコントロールが間違いなく成功するということです。
もちろん食事や睡眠も大事
冒頭でも紹介したように、健康といえば
運動・睡眠・食事
の組み合わせが基本です。
飽和脂肪酸を避けることや、糖分を適切な量にすること、せめて6~7時間以上は睡眠時間を確保することなどは当たり前にしておきたいポイントですね。
運動することで睡眠のリズムもつくりやすくなるので、やはりまず体を動かすことを基本に置くことが、脳のためには重要になるでしょう。
感想
日頃、運動の重要性を理解して取り入れている人にとってはすでに既知の情報かもしれませんが、「あまりハードにしなくていい」というのは嬉しい情報だと思います。
運動に対して苦手意識のある人も、歩くことなら挑戦できそうですよね。
ポイントは心拍数が適切に上がること・そして20分(できれば30分以上)継続した有酸素運動になること。
これを日々実践していけば、脳の機能は高めることができる。
モチベーションが高くなる情報を与えてもらえました。
まとめ
- 人間は動いてこその動物だ
- 心拍数の上がる有酸素運動を20分以上継続しよう
- 毎日の生活に運動を当たり前に取り入れよう
そんなことはわかっているけど忙しいんだ…とは言っていられない気分にさせてくれる1冊です。
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